こんにちは、元公務員のみんです。
公務員に興味があるひとにとって、サービス残業のリアルな話が聞きたいですよね。
ホワイトなイメージがあった公務員。
しかしコロナの対応などで公務員の激務ぶりが世間に知れわたり、公務員のサービス残業についてニュースで取り上げられるようになりました。
私は某県庁の元地方公務員で7年間はたらきました。
その公務員時代の体験談をふまえ、公務員のサービス残業について解説します。
- 元公務員ブロガー💻
- 某県庁の公務員土木職として7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 今はブログで公務員のあれこれや、仕事などをメインにさまざまな情報を発信しています。
公務員サービス残業の実態とは?残業代はもらえない?
サービス残業の実態、みていきましょう。
サービス残業とは、働いた分の残業代がもらえない状態を指します。(要はタダ働き)
公務員のサービス残業はほんとにあるの?
公務員のサービス残業は残念ながらあります。
残業代は残念ながらでません。
ただし部署によって忙しい部署とひまな部署がありますので、残業代が100%支払われる場合もあります。
一方、公務員はかならず異動があります。
健康でふつうに働ける人は、忙しいところとひまなところを交互に異動することが多いです。
なかには病気がちでずっとひまな部署に配属される人や、できすぎる優秀な人はずっと忙しい部署にいる人もいますが、かなりレアケース。
したがってサービス残業は、公務員になればほとんどの人が経験してしまうでしょう。
【体験談】公務員時代のリアルなサービス残業
私は某県庁の地方公務員で7年間はたらきました。
土木職という技術職での採用でした。
残業については、まず1ヵ月あたりの残業目安時間を伝えられます。
私の場合、1ヵ月28時間くらいでした。
裏を返せば、「目安時間を超えたら残業代を支払えないよ」と言われているのと同じです。
残業時間を申請することもできますが、目安時間を超えるとかなり手続きがめんどくさくなるので、私のまわりでは目安時間を超えた時間を申請する人はしていませんでした。
じっさい私の残業は1ヵ月あたり60~70時間くらい。
つまり、約半分の30時間の残業は無給労働だったわけですね。
その頃の私は社会人1年目で、仕事を覚えることに必死でした。
残業になるのは自分の能力が低いからだと思い込み、県民のためとサービス残業が当たり前なのだと信じ込んでいました。
やりがい搾取です。
ある意味洗脳されてましたよ。
こわいこわい…(笑)
やりがい搾取については、別の記事でくわしく解説してますので、興味のある方はぜひ。
【関連記事】
やりがい搾取されやすい【公務員】の特徴や対策を元公務員が解説
今では「サービス残業」は完全に"悪"だと気づくことができました。
なぜ公務員はサービス残業してしまうのか?残業代がなしでも働く心理
それではなぜサービス残業が起こってしまうのでしょうか。
その背景には、なかなか一般の人たちには見えない公務員の実情があります。
- 予算の制限
- 公務員は「こうあるべき」という呪い
- 組織体制の強制力
予算の制限
自治体の予算はそれぞれちがいますが、予算がたくさんある自治体は少ないです。
予算がないために、人員削減や給料カットなどがどんどん進められています。
そんななか、残業代にまわすお金がないということです。
もともと予算が限られているため、残業をしても支払われてないということが起こってしまいます。
公務員は【こうあるべき】という呪い
公務員はいわゆる【みんなのお手本】であるイメージが強いです。
公務員が不祥事などを起こしたときに、
「税金どろぼう!」などと言われ、必要以上に責められるのはこのイメージが原因ですね。
「公務員はこうあるべき」という世間のイメージから、残業代を申請することになぜか罪悪感を感じてしまうのです。
したがって公務員は、サービス残業がよくないと分かっていてもサービス残業をしてしまいます。
組織体制の強制力
公務員は組織が大きいため、強制力がとてもつよいです。
人は本心ではちがうと思っていても、組織やまわりに合わせて同調してしまうという性質をもっています。
この性質のことを「外面的同調」といいます。
組織の力がつよければつよいほど、人はまわりや組織に合わせようとするのです。
人は権威によって命令されると、たとえ正しくないとわかっていても服従してしまうことが、ミルグラムによる服従実験でも明らかになっています。
この実験は、別名「アイヒマン実験」とも言われます。
「会社のため」「自分の立場を悪くしたくない」という心理から、組織ぐるみの不正などが起こるのもこの「外面的同調」が原因。
したがって公務員はまわりへ合わせてしまう人が多く、みんながやっているからという理由でサービス残業をしてしまいます。
公務員のサービス残業に喝!河野大臣が残業代全額支払い表明へ
しかし公務員のサービス残業問題にも動きがありました。
それは河野大臣が2021年1月に、国家公務員の残業について全額支払いを表明したのです。
すばらしい!
【国家公務員に残業代「適切」支給 河野氏が1月に要請】
(外部リンク:日本経済新聞 )
コロナで国家公務員の激務ぶりが世間に知れわたりましたね。
公務員のサービス残業について喝を入れてくれた河野大臣、ありがとうございます!
サービス残業は【労働基準法違反】です。
公務員ではたらくあなたの環境がよくなっていくことを願っています。
公務員サービス残業(残業代なし)まとめ
今回は以上です。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。