こんにちは、元公務員のみんです。
今回はこんな疑問について、公務員の異動におけるメリットとデメリットを解説します。
この記事を書いている人
- 元公務員
- 某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格持ちです。
- 今はブログで公務員のあれこれ、仕事などをメインにさまざまな情報を発信しています。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
公務員(県庁)異動のメリット&デメリット!県庁の異動サイクル
公務員(県庁)の異動頻度は、どんな職種でも3年~4年が基本です。
病気や結婚、家庭の事情などで1年で異動したり、5年くらい長くいらっしゃる方もいますが、基本は3年~4年で必ず異動すると考えて良いでしょう。
土木職の視点から(全職種共通の話もあり)公務員の異動頻度について、メリットとデメリットをご紹介いたします。
メリット
- さまざまな職場が経験できる
- 合わない上司・同僚がいても、離れる(異動)までのカウントダウンができる
- 職場のマンネリ化を防げる
- 幅広い情報共有ができる
さまざまな職場が経験できる
仕事の内容は本当にさまざまですが、行きたくても行けない部署もたくさん! しかし土木職は、行政にくらべると異動場所は少ないです。
出先の土木事務所では、整備課、保全課、企画調査課、水道、ダムなどのさまざまな部署があります。
また本庁だと、道路整備課、交通政策課、技術管理課、保全課、河川課、砂防課、都市計画課などがあり、仕事内容はそれぞれちがいます。
3年~4年で異動できるということは、仮に22歳(大卒程度)で入庁した場合、60歳までに(もう65歳かもしれないけど)15~20回の異動ができることになります。
この異動回数があれば、さまざまな職場が経験でき、いつかは自分の希望する部署に行けるかもしれないですね。
合わない上司・同僚がいても、離れる(異動)までのカウントダウンができる
どこにでも人が集まれば合わない人はいるものですが、直属の上司が合わない人だと仕事も一苦労ですよね。
仕事行きたくない…(・へ・)ってなります。
しかしよく考えてみたら、3年~4年で必ず異動するということは、まわりの人も毎年3分の1程度は異動するということです。
きらいな人と一生一緒ならもう仕事をやめるしかないと思います。
だけど嫌いな上司があと何年くらいで異動する、もしくは自分が異動できると考えれば、仕事をつづけられそうと思いませんか?
何とか歯を食いしばって1年~3年我慢すれば、必ず環境が変わりますし、本当に無理なら人事に相談してください。
職場のマンネリ化を防げる
県庁は同じ職場に長くいる人はいません。(任用替職員など一部を除く)
ですのでお局様(おつぼね)や老中(ろうじゅう)と呼ばれるような人はいません。
よって職場が長いことを盾にしていばるような人はいませんというかできません。(変な人はいるけれども(笑))
1つの業務に対して、たくさんの人が関わることになりますので、だれかの独壇場になることはなく、職場のマンネリを防ぐことができます。
風通しが良いのはとてもよいことですね(^^)/
幅広い情報共有ができる
さまざまな職場を経験できるということは、知り合った同僚や上司たちも同じ様に、さまざまな職場に異動しています。
よって全く畑ちがいな職場でも、知り合いがいれば情報共有をすることができます。
知り合いがいると、知らない部署でも電話しやすいですしね。
自分の新しい異動先の情報も聞けたりするので、横のつながりもあると世界が広がります。
集まりや食事会で、色んな仕事内容を聞けるのもおもしろいです。
デメリット
つづいてはデメリットについてです。
デメリットはこんな感じです。
- 責任の放棄(仕事が適当になる人もいる)
- 専門性の低下(土木職として技術が磨かれにくい)
- 事業の進み具合によっては当たり外れもある!
- 会計検査や監査は他人の設計・工事を受験することもしばしば…!
- 通勤時間が変わることで生活リズムが崩れる
責任の放棄(仕事が適当になる人もいる)
異動頻度がみじかめということは、その間の仕事に手を抜いてしまう人もいます。 次の人が何とかしてくれると思って、仕事を進めない人も出てきてしまいます。
ぜひあなたはそんな人には決してならないでください。 お願いします…m(__)m
責任放棄については人としての性格や適性が関係していますが、仕事が適当にできてしまうシステムも問題です。
どうにかならないものか…。 やっぱり仕事やらない人は給料下げるべきですね!
仕事できない人の仕事を引き継いだ人が 苦労する話をよく聞きます。 引き継ぐこと前提の仕事なんですから、他人に迷惑をかけない仕事をしたいものです。
専門性の低下(土木職として技術が磨かれにくい)
異動が頻繁であることは、土木の専門性を考えると、土木職として技術がみがかれにくいです。
公務員は広く浅くが基本ですが、土木の技術を身につけて悪いことは全くありません。
同じような部署をまわれば別ですが、異動は自分の思うとおりにはなりません。
出先(現場)と本庁(予算)ってだけでも全く畑ちがいの仕事です。 本庁なんかは、土木というより予算の書類づくりが主です。
特に専門性の高い水道やダムなど、経験する人が少ない部署などは、技術を磨くため長く勤務できた方がその道の”プロ”を教育できます。
そう考えると、3年~4年は少し短めな気がしますね。
事業の進み具合によっては当たり外れもある!
土木の工事は新規事業としてざっくりいうと、計画→測量→設計→用地測量→用地買収→工事となり、完成までは8年~10年かかることが一般的です。
そうすると設計や用地買収の年にあたってしまい、現場をもてずに異動してしまうこともあります。
やはり1つの事業を計画から工事完成までできたほうが愛着もわきますし、土木の技術もみがかれるでしょう。
そういう予算の仕事も経験と言えばそれまでですが、土木職として現場をもちたい!と強く思っている人にとっては、こんなはずじゃなかった…と感じるかもしれません。
いつか必ずやりたい仕事ができると信じてがんばってください。
行きたい部署があるなら、身上調書などに自分の思いを熱くを書くことをおすすめします。
また、別記事でわたしの身上調書での失敗談を書いていますので、気になる方はそちらをご覧ください。
人事評価シートの書き方とは?失敗しない&書いてはいけないこととは?
会計検査や監査は他人の設計・工事を受験することもしばしば…!
私たちのおこなっている工事は、県のお金だけでなく国のお金を使っている場合があります。 国のお金を使っている工事は【会計検査】という、きちんと工事が行われていたかチェックする検査があります。
会計検査院は国のお金が正しく、ムダなく有効に使われているかどうかをチェックする機関です。
税金ですから適正に、さらにムダがないように有効に使われなければなりません。
よってこの会計検査は、当たり前ですがめちゃめちゃきびしいし怖いです。
この検査に対して、県職員も検査を受ける工事資料を勉強し直し、ありとあらゆる質問に答えられるように準備します。
会計検査は毎年ありますが、道路、河川、都市、砂防など年ごとにサイクルがあって1年~4年前の工事を検査することになります。
そうすると、他人の作成した設計書を受験しなければなりません。 もちろん設計書を作成した人に聞き取りはしますが、すでに異動したあとのことが多く、しりぬぐい的な形になることがほとんどです。
自分で作成した設計書だって間違えたかなと不安になることが多いのに!!!
他人の気持ちなんかわからないですよね…。
まぁ、お互いさまと言えばお互いさまなんでしょうけれども、他人への迷惑を考えない人も中にはいますので、会計検査にあたってしまったら運が悪いと思うしかありません。
個人的に会計検査に関しては、異動したあとでも設計書を作成した本人を受験させるべきだと思います。
通勤時間が変わることで生活リズムが崩れる
通勤時間が変わることは、公務員になったら覚悟しなければならないことです。
異動がひんぱんということは通勤時間が変わりますので、生活リズムが崩れます。(毎度引っ越しするなら別ですが……)
長年県庁職員として働いている方は、「慣れだよ!」という人もいますが、生活リズムが変わることがいやな人は県庁職員は向いていません。
また自治体にもよりますが、地方の県庁は出先など電車では通いきれない場合が多いです。
車移動が必須になりますので、車の運転が苦手という人にもあまりおすすめできません。
公務員の異動メリット&デメリットまとめ
メリット | デメリット |
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以上です。
ありがとうございました。